熊より怖いのは、人間の運転するクルマ
近年クマのエサが山に少なくなり、人間の住むエリアにも彼らが下りてくるようになり、農作物の被害はもとより、人間が襲われたりするニュースを多く聞きます。
彼らは人間より力が強いし鋭い爪もあり、人間に勝ち目はほぼありません。
私も登山をしますが、クマに出っくわさないように鈴を鳴らし、早朝の登山を避けます。弥彦山や角田山にはクマはいませんから、用心にこの山で登山をすれば良いわけです。
クマの生息数は、日本では1万1千頭余りです。しかし、クマは山やその周辺にしかいません。人間の街にはいませんし、西日本のほうは絶滅して生息していない地方もあります。誤解を恐れずにいえば、クマの生息エリアに行かなければクマに出っくわさないわけです。
しかし、人間の運転するクルマは、私たちの回りに縦横無尽に生息しています。歩道を歩いていても家で寝ていてもこの人間の運転するクルマは突進してくる可能性は常にありうると思っていて間違いありません。
交通事故死者数は、現在年間3000人を下回ったそうです。私の子供のころは、交通戦争といわれ、年間16000人以上(1970年)の犠牲者がありました。死亡事故の減少の要因は、シートベルトの義務化やエアバックの普及が大きいと思いますが、それでも年間数千人が犠牲になっています。そもそも50年前の死者数が異常だったと思います。
この人間の運転するクルマ、私たちが道路端を歩いていても平気でスレスレを走って行きます。また、制限速度なんてどこ吹く風でかなりの速度で走ってくる人間の運転するクルマと私達は道路ですれ違わなければなりません。いずれもドライバーがよそ見をしていたりで、ハンドル操作を誤ってこちらに向かってきたらと考えるとゾッとします。
クルマは、便利で年々快適になり、免許さえあれば、誰でも指1本で時速100キロを出せ、私たちの生活に無くてはならない存在ですが、考えて見ればこのクルマは重さ1トン以上ある鉄の塊です。クマより早く走れて、クマよりもっと凶暴になります。
私たちは、この人間が運転するクルマの怖さを十分に自覚して生活していく必要があります。