所在不明の息子の住所が知りたい

先日、70才代の女性から、「数十年前に別れた夫が引き取った息子の所在が知りたいが調べられるか?」という問い合わせがありました。

私は、探偵ではありませんから、行政書士の業務として「戸籍の附票というものを取り寄せれば、息子さんの現在の住所が分かるかもしれません。」と答えました。

その女性から正式に依頼を受け、早速委任状を作成して署名をいただきました。

 

戸籍の附票とは?

簡単にいうと、その市区町村に本籍がある者の住所履歴の記録です。

住民票が住所の異動や世帯の構成を記録したものです。戸籍が出生・死亡・結婚などの身分事項を記録したもので住所は記録されていません。

この2つをつなぐものが戸籍の附票というものです。

離婚で遠い過去に別れて、何処の町に住んでいるのかも分からない子供の所在を知りたいとき、1度も顔を合わせたことのない住所や名前すら良くわからない異母兄弟の所在を知りたいときなど、主に相続問題のときにこの戸籍の附票が用いられることと思います。

住民票は、住所を置く市区町村が管理を行うのに対して、戸籍の附票は本籍地の市区町村が管理を行っています。したがって戸籍の附票の請求は、本籍地の市区町村に請求しなければなりません。

 

私はまず、依頼人の女性の住民票を取得して本籍地を知り、その本籍地に戸籍を請求しました。

しかし、この戸籍には、当の息子さんの記載はありません。なぜなら、この戸籍の筆頭者は現在の夫なので、夫とその夫との子供の記載しか記録されていません。

つぎに、戸籍に記録されていた依頼人の女性の前の本籍地に戸籍を請求しました。すると、この戸籍には当の息子さんが記載されていました。

この戸籍の息子さんの覧には、「父の戸籍に入籍につき除籍」と記載されていましたので、次にこの息子さんのお父さんが筆頭者の戸籍を請求しました。

遠い北海道の旭川市役所から郵送されてきた戸籍、この戸籍にようやく息子さんの現在の本籍地が記載されていました。

そこでこの本籍地に息子さんの戸籍の附票を請求したところ、現在の住所が判明しました。

息子さんが住所移転の届け出を出さずに引っ越しをしていない限り、現住所が判明すると思います。

 

 

 

 

 

2016年10月29日